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詩と映画と日記

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アーサー王の物語

「アーサー王の物語」

子供の頃からこのお話しがが好きでした

登場人物が親しい友と思えるほどに本も読みました

アーサー・ランスロット・グィネビア・ガウェイン・
パーシバル・モードレッド・エレイン

観た映画は

「円卓の騎士」
「王さまの剣」
「キャメロット」
「エキスカリバー」
「トゥルー・ナイト」


今も胸が熱くなります。多分一生好きだと思います
下は2年ほど前に書いたものです







「悲恋の王妃グィネビア」

時は中世 イングランド
輝く瞳のグィネビア姫

婚礼の為
キャメロツトへと旅立ちました

深い森を抜け 広々とした緑の野
突然現われた 大男
姫をさらって
高い塔の部屋ヘ閉じ込めました


大男の城主 は迫ります
麗しの乙女よ 我が妻になり給え
グィネビアは誇らかに
「無礼者 寄るでない」

通りかかった 修業の騎士は
湖の騎士ランスロット
向かうところ敵無しのつわもの
大男を一撃のもとに打ち倒す

塔の窓から見つめるグィネビア
「ありがとう 旅の騎士」
一瞬目と目が合いました
高鳴ったグィネビアの胸
熱く燃えたランスロットの憧れ

「どうぞご無事で」
互いに名前も告げず立ち去りました

アーサー王の婚礼の日
ランスロットはキャメロットへお祝いに
喜びにわく民たち
にこやかに微笑んで 並んで立った王と王妃
グィネビアの額に輝く冠
ランスロツトとグィネビア運命の再会
哀しい恋のはじまりでした


偉大な王 アーサーの 平和の都 キャメロット
厳しい掟が有りました
王妃の不倫は 火あぶりの刑
グィネビアの恋は許されません
愛深きアーサーの腕の中
グィネビアの心は憂えます

ああ ランスロツト 黒き瞳のランスロット
君が 我が胸に宿りしは
いかなる宿命の仕業かと
胸も破れん王妃グィネビア

宴の席
美しい乙女とランスロツト 微笑み交わし 踊ります
王妃の胸は波立って 黒き嫉妬が逆巻きます
輝く瞳は曇ります

夜更けて一人グィネビア
マントに身を隠し 石の階(きざはし)昇ります
想ってはならない人の部屋の前
ランスロツト ランスロツト
人目を忍んで呼びかけます

宿敵モードレッドの耳と目は
すぐ傍に有りました
ふたりの様子を伺います

帳(とばり)を開けたランスロット
「お戻りなさい王のもとヘ」
人目に触れれば身の破滅
王妃への熱い心を隠します

痛む胸 溢れる思いを甲冑に隠し
1人さまようランスロット
王妃の名誉を損なわぬため
アーサー王のお許しのもと 
修行の旅へと出かけました
求めて戦った試合 数知れず
心は虚ろ満たされません

ある時 傷つき 夜が更けました
ともし火に惹かれて 
アストラットの城へ
白百合の精かエレイン姫
優しい笑顔 手厚い看護

ランスロットの傷は癒えました

エレインは 秀でた額に 黒き目の
ランスロットに魅せられました
心奪われ 思いつめた一途な初恋 
エレインの瞼に眠りは訪れません
乙女の誇りも恥じらいも捨て
ランスロットに申します
「君恋うる 我が愛を受け入れたまえ」
胸に迫る切ない言葉
ランスロットは肯わず
「我が胸には住まうひと有り」
エレインの幸せ祈りつつ立ち去りました

望みを無くしたエレインは食を断ちました
日毎 悲しく衰えていき
思うはランスロットの事ばかり
いまわの際に申します
命絶えた我が身をば
花敷き詰めた小舟に乗せ
キャメロットへと流したまえ

父と兄は川に小舟を浮かべ
別れを告げて泣きました
エレインの清らかな白き手に
一通の手紙が握られていました

エレインはキャメロットへ流れ着きます
ランスロットは未だ帰らず
王妃グィネビアが受取りました
報われぬ恋のため 乙女のままに死すわれを
哀れみたまえ ランスロット

もはや語らぬエレインの白き頬を
王妃の涙が濡らしまし





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